再生紙おむつ。
文字だけでみると、洗ってリサイクル♪と誤解されがちかもだけど、違うんですよ奥様。
牛乳パックだって、洗って分解して再生してる。
分解してるからね!?
日頃から おむつを追い回してるこのサイトだからこそ、
誤解されがちな疑惑の存在、
再生紙おむつに注目するよ。
それでは、いってみよう!
再生紙おむつは、資源リサイクルシステムの一環
紙おむつ再生 ユニ・チャームの挑戦
ユニ・チャームが大人用の使用済み紙おむつから原料のパルプを取り出す技術を開発した。オゾンで滅菌・漂白する仕組みで、厚生労働省の衛生基準を業界で初めてクリアした。リサイクルシステム定着とコスト削減に向けて鹿児島県志布志市で回収や設備の試験を始めており、2020年ごろに再利用を目指す。
(・・・中略・・・)
厚労省は生理処理用品に厳しい基準を設け、おむつメーカーは基準を順守している。これまでは排せつ物や菌が高分子吸収体やポリアクリル酸に付いてしまい、基準をクリアする再生技術はなかった。
オゾン処理システムで再生した上質パルプは大腸菌など菌類がなくなり、基準をクリアした。
ユニ・チャームは2016年11月、同市でオゾン処理システムの試験を始めた。同市は一般廃棄物のリサイクル率が76%にのぼり、市単位で全国1位。ただ、高止まりの状態にある。埋め立てゴミにおむつが多く含まれるといい、両者の思惑が一致した。
(・・・中略・・・)
ユニ・チャームによると、大人用紙おむつの年間生産量は50億枚あり、重さにすると30万トンにのぼる。高齢化の影響で過去10年間に6割増え、今後も増加が見込まれる。
自治体のゴミ焼却場で可燃ごみを1キロ燃やすと、税金が平均43円必要になる。温暖化ガスも排出される。宮沢氏はこのままだと「環境リスクや焼却費用はこれから増える一方になる」と話す。
東京都市大学環境学部の伊坪徳宏教授がまとめたところでは、オゾン処理システムを使えば、使用済み紙おむつ1トンの処理につき、水を約6トン節約できる。温暖化ガスは3割減らせる。伊坪教授は「ごみ問題や気候変動問題に貢献するビジネスモデルになり得る」と語る。
(企業報道部 宇都宮想)
(ちょっと寄り道・・・)ポリアクリル酸って、酸?
文中で出てくる、『ポリアクリル酸』。
酸と付くから、
肌に触れたら荒れそうとか、溶かしそうとか直感で思った奥様へ。
ポリアクリル酸は、他のものを溶かすほど攻撃的じゃないよ!
紙おむつの吸水ポリマーとして使われているのは、主にポリアクリル酸ナトリウム。
成分的に安定している物質だからこそ、紙おむつの吸水役として活躍している。
再生紙おむつは、パルプを集めるためにおむつを分解して加工している
紙おむつ、どうしても吸水ポリマーばかりが目立ってしまうけれど、
紙おむつの吸水・保水部分(尿を吸って閉じ込めておくところ)には、パルプ(紙の繊維)が使われている。(重さや体積でいうと、パルプのほうがたくさん入っているよ!)
紙は木から作られているけれど、木を伐採すると森が消えてしまう。
リサイクルシステムを作ることで、時間をかけて育つ木を守る取り組みとも言えるんだ。
『紙おむつ再生 ユニ・チャームの挑戦』記事の解読ポイント
最後に。
上の方の記事が難しいと言うお友達へ、解読ポイントを。
紙おむつは、新聞や雑誌と違って、尿や便を吸収させた状態で廃棄される。
物がモノだけに、
衛生面も、洗浄方法も、難問山積み状態で問題になっていた。
高齢人口が増えている現状にあっては、
これから使用量が増えるのが分かっているけれど、課題が多くて解決が難しかった分野なんだ。
紙おむつを再生させるには、
- 紙の繊維であるパルプをキレイに洗浄すること。
- キレイに洗浄したパルプの回収率を上げること。
- 再生にかかるコストを抑えること。
これらの条件クリアを必須にしないと、技術的には実現できても成り立たない。
まだまだリサイクルシステムは始まったばかりだけれど、
紙おむつを使って捨てた後 生まれ変わらせる方法が確立されていくことは、
これからも、紙おむつを安心して使い続けられる生活を守ろうとしてくれているということ。
これからどんな技術や仕組みに進化していくのか、楽しみに見守っていくよ。