おむつ

なぜ粉なの?おむつや尿とりパッドに入っている高分子吸収体(吸水ポリマー)

紙おむつや尿とりパッド、

いろんな人から切って使っちゃダメと言われても、切って使おうとした人、いるよね?

大丈夫。これを書いている鶴丸も同じことを考えた。

ちょっとしか使わないんだったら、切って使えばいいじゃん♪
こっちのがお得♪

…で、実際に切った。

結果、粉まみれになった。。。。

 

今日は、その粉のほうのお話。

 

ポリマーって何なんだ。カッコつけてんのか。

紙おむつのパッケージを観察すると、成分表示に吸水ポリマーとか、高分子吸収体・高分子吸収材とか書いている。

ポリマー?

高分子?

何とも意味深な名称ではあるけれど、

学術的に調べると、正しく・細かく説明しようとすると、
どうしても難しい言葉がいっぱい並んでしまう。

 

結局何が知りたいのか分からなかった…では意味が無いので、
今回もざっくり解説してみるね。

 

ポイント(これだけ覚えれば充分!)

紙おむつの『尿を吸う』ための主力武器は

吸水ポリマー=高分子吸収体・高分子吸収材。

 

 

実は、吸わない『ポリマー』とか『高分子』は、身の回りにたくさんあるけれど、今回はお呼びでない。
吸わない『ポリマー』や『高分子』に興味がある人は、こちらをみてほしいな。

ちょっとだけ化学的な
ポリマー(高分子)は、全部が全部、水を吸うのか?紙おむつや尿とりパッドに入っている、『高分子吸水材』。 かっこよく言うと、『吸水ポリマー』。 紙おむつや尿とりパッド...

 

 

高分子吸水材こと、吸水ポリマーの性質

では、高分子吸水材こと、吸水ポリマーが、どんなものかを見てみよう。

高分子吸収材こと、吸水ポリマーってどんなモノ?
  • 例えるなら、ものすごく圧縮された網(あみ)。網を展開して水分を閉じ込める。
  • ポリマーは、水分に直接触れている面積が大きいほど、吸う。

 

吸う前は硬い。

プラスチックっぽい感じ。

強く叩くと、曲がったりせず割れる。

なかなか意志が強そうなキャラクター。

 

吸ったあとは、ボヨンボヨンしている。

粒が大きいと、ちょっとした段差から落としても

ボヨンボヨン飛びはねて大人しくしてくれない。

指で押すと、むにょっと形を変えるけど、

押しすぎると潰れる。

感触は、寒天ゼリー。

 

ふむ、タピオカみたいにもっちりじゃないな。。。

 

って、お腹すいてても食べちゃダメだよ!

 

 

高分子吸水材=吸水ポリマーの大きさによる使い分け

高分子吸水材=吸水ポリマーが、自分の100倍を超える体積まで吸水しますよ!

こんなこときいたら、いっぱい吸いそうだと期待してしまう。

確かに吸うんだけど、

おむつが吸うのに一時間かかったらモレまくりの大惨事。意味無いよね。

 

粉タイプの吸水ポリマーにするか、大きい粒にするか…

高分子吸水材こと、吸水ポリマーには、粒径(一粒の大きさ)にも意味がある。

ここでは大きさについて注目してみよう。

 

 

粉タイプの吸水ポリマーが得意なこと

とにかく、仕事が早い。

触れたものは吸ってやるぜ!の勢いで吸う。

粉=粒よりも表面積が大きいので、粉の内部まで水分が浸透しやすい。

つまり、吸水ポリマーの網を広げやすいんだね。

 

水分に触れると、とにかく吸って、吸って、自分の体積の100倍近く吸いまくる。

例えるなら、早食い王者。

パパパパパパっと食べちゃう感じ。

 

数字で見たら、ふーんって感じだけど、

1グラムの粉が100グラムになるって、すごいよね!

 

 

ビーズタイプの吸水ポリマーが得意なこと

吸いはじめはゆっくり。

じわじわじわじわ吸う。

粉タイプが早食い王者なら、ビーズタイプは大食いファイター。

 

ビーズタイプは、とにかく のんびり屋さん。

早く吸うのは苦手だけれど、

吸ったものを長い時間をかけて、じわじわ外に出すことができる。

 

 

吸水後の透明感のある、ぷるっとした姿は、見た目にもキレイ。

おしゃれインテリアにぴったりなんだ。

 

例えば、

消臭剤を吸い込んで消臭ビーズとか、

栄養剤を吸い込んで、花瓶の中で切り花長持ちビーズとか、

吸い込んだものを じわじわと少しずつ放出することで、

のんびり屋なので、長持ち。

見た目がキレイなポリマー。

ビーズ型も、長所を活かして活躍中だ。

 

 

おむつに粉タイプが入るワケ

おむつには素早く吸収!という最大の使命があるわけだけど、

粉のほうが仕事が早い。吸水職人。

それに、粉だと吸ったあとの膨張した吸水ポリマーの大きさが小さい。

(大きくなっても、元の大きさが小さいから、吸水後も小さめだと言いたい…)

 

想像してみてほしい。

ビーズタイプがお尻の下でウニョウニョ・ゴロゴロするのは、

ちょっと向いてない感じだよね。

 

 

  • 尿の吸収は、素早く。
  • 次のおむつ交換までの間、尿を逃がさない。
  • 交換までは、なるべく おしりサラサラに近づける。

粉タイプの吸水ポリマーは、おむつの生命線ともいえるわけだ。

 

 

復習

紙おむつや尿とりパッドの中に入っている
『高分子吸水材(吸水ポリマー)は、粉!

 

 

おまけ☆でっかい吸水ポリマーを、吸水状態から無理やり急速乾燥させると…

でっかい吸水ポリマーを、とにかく早く乾燥させるとどうなるか…。

実は、乾燥途中でポップコーンみたいになる。

 

自然乾燥(ゆっくり乾燥)のときは、

  • 表面から水分が蒸発して乾燥
  • 内部から水分がにじみ出して、表面がしっとり潤う
  • 表面から水分が蒸発して乾燥
  • 内部から水分が…(ひたすら繰り返し)

蒸発スピードと供給スピードが同じだと、全体が均等に小さくなっていくんだ。

 

 

急速乾燥(ドライヤーでブォー~とか)だと、

  • 表面は水分が蒸発して乾燥。表面は縮む。
  • でも、内部は水分プルプル。
  • 内部から表面に水分を送り出すんだけど、
    乾燥スピードが早過ぎると、表面だけ裂けちゃう。

 

ポップコーン用のトウモロコシに敬意を表して
勝手に爆裂種と呼んでいる。
(トウモロコシでも、ポップコーンになる品種は爆裂種というらしいよ!)

 

 

ちなみに、爆裂種の急速乾燥…2時間~3時間くらいかかるよ。

こんな残念な戦いは、筆者だけで十分だ(笑)

 

 

 

…というわけで、今回はおむつの吸水ポリマーがどうして粉なのかを語ってみた。

ポリマーが好きすぎて、ついつい語りすぎてしまうんだけど、

懲りるわけでもないので、また書くよ! アデュー! (*゚∀゚*)ノシ

 

 

ABOUT ME
つるまる
生活に大事なことこそ、シンプル・簡単にする主義。 難しくないことを説明するのに、専門用語並べて難しい説明に見えちゃうのがイヤになった専門職。 分かりやすい言葉で表現するためにいろいろな言葉で表現チャレンジ中。