紙おむつや尿とりパッドに入っている、『高分子吸水材』。
かっこよく言うと、『吸水ポリマー』。
紙おむつや尿とりパッドにとっては、おなじみの素材。
ここで質問。
高分子とポリマーって、ほぼ同じ意味なんだけど、
その高分子とポリマーは、全種類が水を吸う性質をもつのかな?
どうだろう?
今回は高分子(ポリマー)について着目しながら、
先ほどの答えも考えてみよう。
『ポリマー』とか『高分子』って何ぞ?
正しくは、原子だ分子だ結合だ重合だとかウンタラカンタラするんだけど、一言で表現するなら、同じ構造の分子がいっぱい(pori:ポリ=いっぱい)くっついたり、重なったりしているモノのこと。
なんと言えばいいかな…
ポリマーって、縦にも横にもナナメにも、
コピー&ペーストしているみたいに、同じ分子の組み合わせがくっついている集団。
ハンコ押したみたいに、同じ組み合わせの繰り返し。とてもざっくりとした表現。
化学の世界では、そういうのをポリマー(高分子)と呼ぶ。
ポリは、pori=いっぱいという意味であって、
ポリス(police:警察)のポリじゃないぞ?
知ったかするにも、このへん間違えちゃダメだぞ?
『ポリマー』こと『高分子』は、吸水しない種類のほうが多い
筆者こと鶴丸も、一時期はポリマーの合成やってたんだけども、
材料の配合変えたり、途中の調製方法変えたり…
条件を変えるだけで、いろいろな性質のポリマーができる。
フンワリ膨らんだと思ったら、岩みたいに固まったり、水に放り込んだら溶けちゃったり。
お菓子作りだったら、下手すぎてポイズンクッキングだな!とツッコミ祭りだった(笑)
発泡(空気を発生させて膨らませる)させて構造を仕上げる方法も多いけど、
発泡させない方法も多い。(おしゃれアクセサリーを作る『レジン』もポリマーだよ!)
吸水ポリマーは、水に触れたら大きく展開する、畳んだ網みたいな構造を作るんだけど、
網の広がり方や、吸水した後の保水力を目的通りに作り分けるメーカーはすごいんだ。
(失敗すると、網目を作っても吸わないか、吸っても保水力0だったりするんだ。
化学に失敗は付きものなんだぜ……orz)
冒頭の質問の答えとしては、
吸水しないポリマーもたくさんある。
…なので、吸水しないポリマーと区別するために、
紙おむつの中身のポリマーは吸水ポリマー(高分子吸水材)と呼んでいる。
硬かったり、良く伸びたり、いろんな性格の『高分子』(ポリマー)
身近にあるポリマー。
- 樹脂製のバケツこと、ポリバケツ。
- 飲み物を入れている、ペットボトル。
- 醤油(しょうゆ)が入っているプラスチックボトル。
- スーパーのレジ袋。
樹脂というか、プラスチックは、だいたいポリマーと思ってくれたらいい。
とても硬くて丈夫。でも割れやすかったり、
しなやかに、みょーんと伸びたり。
衝撃に強かったり。
目的に応じて、ポリマーの構造も変えられている……んだけれども。
要らなくなったポリマーを、ポイ捨てするのはダメだぞ?
ほんと便利に使わせてもらってるんだけど、
ポリマーって合成品。
わりと頑丈な作りで、簡単に分解しないように作っている。
この頑丈さが、近頃はゴミ問題で海洋汚染にまでなっているようで。
使うとき、最後まで長持ちするように作ってあるからこそ、
自然になかなか還らないというわけだ。
そんなわけで、
使い終わって捨てるときは、そこらへんにポイ捨てはダメだ。
きちんと分別して、散らばらないようにまとめてから捨てよう。